白旗城は、標高440mの急峻な白旗山上に赤松円心(則村)が築いた山城です。建武3(1336)年、円心は後醍醐天皇と対立した足利尊氏に味方し、白旗山上に城を築き、そこで西国へ敗走する尊氏を追撃してきた新田義貞が率いる6万の軍勢を釘付けにします。義貞は、昼夜を問わず絶え間なく50日余り攻め続けましたが、要害堅固な白旗城を落とすことはできず、勢力を盛り返した尊氏に退却を余儀なくされました。この時の武功により、円心は播磨国の守護として室町幕府の重鎮となりました。また、白旗城も1441年の嘉吉の乱で赤松宗家が滅びるまで、赤松氏の主要な城の一つとして固守されました。南北朝時代から戦国時代(14世紀~16世紀)にかけて、戦乱の中で白旗城は何度も歴史の舞台に登場しますが、記録の上では一度も落城したことがない、難攻不落の名城です。現在、白旗城跡の遺構は、東西約560m、南北約400mにわたって残っています。尾根筋には、本丸や二の丸、三の丸、馬場丸、櫛橋丸、侍屋敷などの主要な遺構が残り、南の谷筋に大手郭などの平坦地が見られます。また、城跡の各所に堀切や石積、土塁などの防御施設が残り、戦乱に耐えた強固な山城であることを彷彿とさせます。城跡へは、北側の細野口、南側の野桑の両方から近畿自然歩道を通って登ることができます。毎年11月23日には白旗城まつりが開催され、登山客が数多く訪れます。
※上郡町郷土資料館HPより引用
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